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論文/自然画像から抽出した・・

自然画像から抽出したオブジェクト画像を利用した
感性語による画像検索システム

西田智裕、木本晴夫

Image Retrieval System using Kansei Words as Reference Keys using Object Images extracted from Pictures
NISHIDA Tomohiro & KIMOTO Haruo
受理 2011/01/24、採用決定 2011/05/09 【画像デザイン】

要約

本論文では、「かわいい」「さっぱりした」などの感性語を検索語とする画像検索において、感性語と印象を表すオブジェクト画像とを対応付けた感性語画像辞書を用いる検索方法を提案する。感性語の印象を表すオブジェクト画像は手描き画像ではなく、自然画像から部分画像を抽出して、それらの部分画像の中から感性語の印象を表すものをアンケートによって選び、感性語画像辞書に登録した。これらの画像を検索用オブジェクト画像と呼ぶ。利用者が入力した感性語は、感性語画像辞書によって、検索用オブジェクト画像に対応付けられ、検索用オブジェクト画像と検索対象画像内の部分オブジェクト画像との類似度計算を行い、類似度の高い部分オブジェクト画像を持つ画像を検索結果とする。オブジェクト画像同士の類似度計算においては、オブジェクト画像の色彩特徴、形状特徴、大きさ特徴を合わせて用いる。特に形状特徴においては、オブジェクトの外接円からオブジェクトまでの距離を特徴として用いて、精度の高い形状特徴表現を可能にしている。従来の研究では、感性語と印象を表すオブジェクト画像を対応付けた感性語画像辞書を利用した感性語による画像検索の研究報告の事例は無い。感性語画像辞書は、感性語と感性語の印象を表したオブジェクト画像の対応表であり、感性語画像辞書はデザインの参考になる。また、手描きしたオブジェクト画像を検索に利用する画像検索の報告事例はあるが、本研究のように自然画像から抽出されたオブジェクト画像を利用する研究の報告事例は無い。自然画像から抽出されたオブジェクト画像を利用することによって、検索のために画像を手描きする必要がなくなり、利用者の負担が軽減されるとともに、手描きで絵を描くことが苦手な利用者の為には有効な方法である。本研究にて提案した方法に基づく画像検索システムを構築して評価したところ、自然画像から抽出したオブジェクト画像を利用する場合と、人が描いた手描きオブジェクト画像を利用する場合とで、検索精度が同程度であることが確認できた。



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Last-modified: 2020-04-10 (金) 10:59:28