2020.07.29 更新
会員の皆様へ
新型コロナウイルス感染拡大にともない、延期しておりました「春期大会」は、「夏期大会・シンポジューム」として、8月1日(土曜日)「東京ミッドタウン・デザインハブ」を発信拠点として開催することとなりました。
なおこのシンポジュームは、コロナ対策も兼ねて、すべて「ZOOM」を使って行います。会員の皆様には会場(ミッドタウンデザインハブ)にお越しいただくことも可能と告知しておりましたが、現在の東京都における新型コロナ感染状況を鑑み、「ZOOM」による参加のみとなりました。何卒、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
同時開催|2019年度奨励賞受賞研究 オンライン展示 ← New!
行政とデザイン
日本のデザイン行政は、経済産業省によって、少なくとも60年余り展開されてきました。
その経緯は「デザイン振興政策アーカイブ」としてまとめられつつありますが、これを概観すると、輸出振興など国レベルで推進される産業政策へのデザイン導入を図ること、またそのために、デザインを推進する環境を整えることに主眼が置かれていたことが判ります。
こうしたデザイン振興政策の展開は、大きな成果をあげ、産業と社会の発展に寄与してきました。
しかし産業社会におけるデザイン振興は、「ものづくり」は経済産業省、一方「都市環境」などの社会インフラのデザインは国土交通省などと、視覚的に認識できるデザインの対象ごと所管が別れており、このことがデザインのもつ総合的統合的なチカラを認識しづらくしていたように思われます。特に1990年代から顕著となる産業社会から次の社会確立に向けての転換は、デザイン領域の拡大とそれに伴う創造的思考としての理解を導いていきますが、「ものづくり」中心のデザイン行政は、こうした動向への対応が難しかったように見受けられます
21世紀も10年を過ぎようとする頃から、「行政政策をデザインすべき」という機運が高まってきました。これまでの枠組みを超え、デザインのもつ総合的な思考や方法論を横断的活用し、様々な課題問題を解決していこうとする動向と要約できますが、こうした取り組みは、すでに日本でも、ユネスコが創造都市として認定する「デザインシティ」の活動など、様々に実践されはじめています。デザインの新しい領域ではありますが、ここには、私達の幸せのあり方を求める思考、方法論としてのデザインが、100年の秋を経て蘇ってきたようにも思われます。
デザインはいま、大きく変わりつつあるようです。
芸術工学会は、1992年の設立以来、分野を超えてデザインを総合的横断的に捉える学術的活動を展開してききました。
その2020年春期大会では、「行政とデザイン」をテーマに、産業社会型の「デザインの行政」と、行政政策の立案さらには行政のあり方そのものをデザインしてこうとする「行政のデザイン」を対比的に捉えることによって、新たな時代が求めるデザインの位相を探っていきたいと考えています。
行政とデザイン
本大会は、新型コロナウイルス感染状況に伴い、オンライン参加のみの受け付けといたします(2020.07.29 変更)
なお、大会当日は内容を記録するため、配信の映像・音声をレコーディングしています。ご了承ください。