The development of ice boxes into refrigerators and the first model in Japan.
ー the change in the color of major products in Japan in 20th century (4)
(受付:2023/05/02, 採用:2023/06/18)
本稿は20 世紀の日本における主要な工業製品の色の変遷についての一連の研究の第四報である。洗濯機は「白物家電」を代表する製品であり,「三種の神器」のひとつにも挙げられ,第二次世界大戦後の日本の復興,発展を象徴するものだが,そのはじまりは電気式ではなく,英語では“ice box” と呼ぶ,氷塊によって庫内を冷やす「氷箱」として普及した。そこから「冷蔵函」「冷蔵器」という呼称を経て「冷蔵庫」に至り,最終的に「電気冷蔵庫」に至る過程を『東京朝日新聞』『讀賣新聞』2紙の記事と広告を元に検証し,氷冷蔵庫は木製の筐体が中心であり,銅製のものも含め,製品色としては茶色が中心であったことを明らかにした。また東芝のSS-1200型が「国産初の電気冷蔵庫」として『近代化産業遺産群33』に,「1930 年製」として『機械遺産』に,それぞれ認定されているが,その妥当性を検証し,新聞2紙ならびに業界誌『家庭の電気』および『拓けゆく電氣』(家庭電氣普及會)の調査によって,電気冷蔵庫の国産第一号は,遅くとも1927(昭和2)年までには東邦電氣や日本電熱器製造によって製造されていた可能性が高いことを明らかにした。