論文・論説・報告の判断に関するガイドライン
研究委員会 2021.12.06
論文・論説・報告、それぞれの採用基準の目安として、かつ相互の差異を明確にするものとして下記のガイドライン案を作成しました。査読・審査にあたって参考にしていただき、執筆者の方々にもお含みおきいただければ幸いです。ご意見等あれば、研究委員会までお寄せください。半年程度、試行的に運用し、必要な改良・修正などがあれば加えていきたいと思います。
論文・論説
- ねらいや方法、アプローチの仕方など全体の構想にオリジナリティがあること
- 明らかにするテーマがあり、結果が得られていること
- 説得力ある議論(主張型も含めて)がなされていること
論文
- 自らの経験のみに基づく解釈・判断は(自明なもの、補助的なもの、動機説明的なものなど)最小限なものにとどめられていること。
- 動機づけられた課題の探求に向けて系統立った議論がなされていること。
- 議論を支えるものは、統制された条件の下での調査・実験・分析、既往研究によって得られた経験知識、理論的知識などであること。
論説
- 自らの経験に基づく解釈・判断が主体部分となっていても良い
- ただし解釈や用語は歴史的に吟味するなどして、それ自体が説得力を持つかもしくは妥当なものでなければならない。
例
- 制作的なものであっても、あるいは一回的経験に基づく実践的なものであっても、一貫したテーマをもって追求され、傾聴すべき(学術的・芸術的)価値あるまとまりのある論述がなされていること。
- 文献レビューに基づくものであっても、理解・解釈にオリジナリティがあり、(学術史的・学術方針的)価値あるまとまりのある論述がなされていること。
報告
- レビュー・アーティクル型:レビューを行い、研究の流れについて所見を述べるもの
- 研究ノート型:研究していることについて、様々なアプローチからの知見を並置的に述べるなどしてそのねらいや方法を述べるもの
- 制作ノート型:自らの制作作品を示し、その制作過程で考えたこと(趣旨や技法等様々なことについて)を整理して述べるもの
- 提案ノート型:自らのオリジナルな発想・提案を整理して述べるもの
- 調査分析報告型:調査・分析等研究過程で得られた結果を報告し情報(データ)を公開するもの