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佐賀県小城市土生遺跡から出土した
楽器形木製品の復元研究

-音楽考古学の方法を超えて

荒田耕平、矢向正人

Restoration study of music instrument-shaped wood product excavated from Habu ruins in Ogicity,Saga Prefecture
−Beyond the method of music archaeology
ARATA Kouhei, YAKO Masato
受理:2016/8/13、採用決定:2017/3/21 【音響デザイン】

要約

 本研究の目的は、佐賀県小城市土生遺跡から出土した楽器形木製品を、考古学者による仮説に基づいて、楽器音響学の方法を融合することによって復元し、失われた弥生時代の音を再現し評価することである。この木製品は、一木造りで、円錐状の突起、半球状の部分、棹状部分、調弦部と思われる形状部分の4層構造であり、従来より楽器説と柄杓説がある。まず、楽器説と柄杓説の概要をたどった。次に、木製品が楽器であると仮定した場合に、どのような楽器に分類できるかを楽器分類法であるHS 法に基づいて推定した。検討を踏まえ、弦鳴楽器であると仮定した場合の楽器の構造を検討した結果、木製品の半球状部分が共鳴胴の役割を果たしうる可能性が示唆された。次に、木製品の復元を試みた。本体をブナ科コナラ属アカガジ亜属、弦を絹とし、鹿皮を張った。次に、
復元した木製品の音響分析を行った。この結果、半球状部分が共鳴胴の役割を果たすことが確かめられた。調弦部の形状が湾曲する理由は、指を入れやすくするための工夫、棹状部分が末広がりである理由は、手の位置を安定させるための工夫である可能性が見出された。復元の結果、失われた弥生時代の音文化の断片を再現することができた。




Last-modified: 2017-06-13 (火) 19:31:36 (581d)