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中国と日本における中高年女子の体型比較にみる
体型特性と衣服設計要因の関係性に関する研究

詹 瑾、見寺貞子、丹田佳子

Comparative Study on Body Type of Chinese and Japanese Middle and Senior Ladies
JIN Zhan, MITERA Sadako & TANDA Keiko
受理 2012/08/29、採用決定 2013/02/28【ファッションデザイン】

要約

本研究は、中国において、ファッション産業の急成長と高齢化が進む社会に着目し、衣服設計の分野から、中国人の特性を活かした衣服設計要因を見出すことを目的としている。その背景には、日本の衣服設計技法や体型分類基準、既製服規格を参考にデザインがなされ、日本人規格の模倣から脱していない現状がある。著者は中国・日本のファッションデザイン教育を学び、中国のファッション産業界に就労する中、中国人と日本人の体型の差異を明らかにした上で、中国人の特性を活かした衣服設計理論や技法を把握することが必要であると考えた。また、中高年女子の体型分類基準や既製服規格が未だ明確に示されておらず、彼女らに適合した衣服が少ないことが急務の課題と考えた。本研究では、まず、中国・日本の50・60歳代の中高年女子(以下、中国女子、日本女子と示す。)各100名を対象に、衣服設計に必要な人体計測データ16項目を、国別、年代別、丈・周囲長・幅の体型バランスで比較し、その差異を明らかにする為に、平均値の差の検定(t検定)を行った。その結果、13/16項目で有意差が見られ、両国の体型差異が明らかになり、平均値も11/13項目と中国女子が高かった。中国女子は日本女子より、肩幅が広く、バストが高く、背中に厚みがある上半身の大きい体型であることが読み取れた。また、丈・周囲長・幅を体型バランスで比較した結果、日本女子の体型が、台形型であるのに対し、中国女子は、バスト・ウエスト・ヒップの差が小さい寸胴体型であり、逆三角形の体型も見受けられた。日本女子の腕は短く、上腕回りが大きい形状に対して、中国女子は、腕は長く、腕付け根周りも大きいが、上腕周りが小さい形状であることも読み取れた。そして両国女子とも、加齢とともに肥満傾向になるが、日本女子は、円背姿勢に、中国女子は、肩甲骨周りから腕付け根周りに脂肪が付き、背中に厚みが出てくることも明らかになった。これら体型特性を踏まえて、中国女子の衣服設計においては、日本女子より、丈、周囲長、幅寸法とも大きく取ることが必要であり、また寸胴体型であることから、バスト、ウエスト、ヒップの寸法差を小さく取る方が、体型に適合した快適な衣服形態になると考える。また加齢とともに肥満傾向が表れることから、年代により、丈、周囲長、幅の寸法差やバランス、ゆとり分量にも留意する事が望まれる。



Last-modified: 2017-06-13 (火) 19:27:27 (647d)