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並置した2つの平面図形の間に生じる視覚的圧力

福田弓恵、木下武志、長 篤志、松田 憲

Visual Pressure of the Space between two Plane Figures that were Apposed
FUKUDA Yumie, KINOSHITA Takeshi, Osa Atsushi, Matsuda Ken
受理 2013/10/15、採用決定 2014/01/10【画像デザイン】

要約

 視覚メディアのコンテンツは、その構成要素の主観的関係が物理的関係と異なって見えることが知られている。コンテンツの視覚的バランスを良好に保つため、構成要素の形態の選択や配置の際に視覚調整が行われることが多い。例えば、スペーシングを行うことやアイソレーションの設定があり、これらは構成要素に生じる視覚心理的な影響を考慮して構成要素の周囲の空間を調整している。美術・デザインの分野では構成要素の相互関係によって生じる緊張感をシュパヌンクと呼んでいる。その他にもデザイナーやデザインの教育者により、視覚心理的な影響を空間的な力の場、シュパヌンク、空間力等と定義している。視覚心理的な影響は、図形の内部と外部に生じると推測され、図形内部に関しては図形の見えの大きさと関連した検討が行われている。しかし、図形外部については科学的な解明が行われておらず、その影響については明らかになっていない。
 そこで本稿では、図形外部の視覚心理的な影響を視覚的圧力として捉える。2つの刺激図形を並置して、一方の図形から他方の図形に対する視覚的圧力の強さについて検討を行った。具体的には、刺激図形の形態的特徴の差と刺激図形の間の距離及び刺激図形の上下と左右の配置位置による、視覚的圧力の強さを明らかにすることを目的とする。刺激図形は、内角の大きさを変えた三角形と正方形及び正円であった。それぞれの図形は、矩形もしくは正方形と並置して一つの刺激とした。実験参加者は、液晶ディスプレイに提示された刺激を観察し、視覚的圧力の強さを5段階で評定した。
 上述の実験により、以下の傾向が示された。正三角形の頂点と正方形の一辺及び正円の円弧を比較すると、三角形は正円と正方形よりも視覚的圧力が強い傾向が示された。図形の間の距離に関しては、距離が短いほど視覚的圧力は強くなる結果となった。配置位置については、一貫した傾向は示されなかった。しかし、視覚的圧力が垂直方向の場合に強く感じるという内省報告があり、配置位置によって視覚的圧力の生じ方が異なる可能性が示された。



Last-modified: 2017-06-13 (火) 19:27:00 (643d)