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ブランドにおける造形言語の記述方法に関する研究

舩山俊克、川崎和男

Study on Description Language of Total Design for Branding Strategy
FUNAYAMA Toshikatsu & KAWASAKI Kazuo
受理 2012/12/04、採用決定 2013/02/22【プロダクトデザイン】

要約

 市場にはさまざまなブランドが存在する。各ブランドは、その商品群において、独自の共通要素を有しており、それが特徴となっていることが一般的である。その特徴は造形言語やデザイン原器などと呼称されており、統一的な商品展開を行う際に、開発者間での共有は必須である。しかし、特に商品開発期間が短期な情報機器などに関しては、デザイナー固有の表現になってしまったり、十分に共有するための時間がとれなかったりと、共通の理解が得られていないことも多い。
 筆者らは、主に情報機器のプロダクトデザインに関し、対象の「かたち」を、記号を用いた式として表現する方法を提案している。その方法を応用し、商品群に共通の造形要素を、式として導く方法を考察する。筆者らの提案する方法は以下の、3つの段階に分かれている。まず、式化の対象となる商品のデザイン図面作成とその簡略化を行う。次に図面に記載されている要素を、汎用的な記号を用いて、規則に従い記述し、式として表現する。最後に、この式を4つの基準に従って単純化を行い、得られた式を造形言語としている。1と2の段階は半自動的に行うことができる。最後の単純化の作業に関しても、4つの基準の組み合わせで求められる。
 本論文では、この導出された商品毎の造形言語に関して、その共通要素や共通の関係性などを整理し、商品群に共通の式を導き出した。その結果、次の3つに分類が可能であることがわかった。①項単体が共通の要素になっているもの、②項の前後関係が共通の要素になっているもの、③比率が共通の要素になっているもの。本論文では約70のプロダクトデザインについて上記の方法を試み、そこから最終的に10のブランドについて、その特徴的な造形言語についてまとめた。
 この手法は、ブランド固有の造形言語を汎用的な記号を用いて表現する方法の提案である。これによって、商品開発時の突然の仕様変更などによる外形の調整が発生した場合、デザイナーが「かたち」のどこを重視しているか、という情報を共有できる。これは、その後の作業速度や作業精度を考える上で非常に重要である。本研究では主に情報機器を中心としたプロダクトデザインについてのみ検討しているが、汎用的な記号を用いていることから、他のデザインへの応用の可能性が高いと考えている。



Last-modified: 2017-06-13 (火) 19:24:23 (581d)