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「髪」における愛好および嫌悪分析による
感性的イメージの変化要因に関する研究

鶴巻史子

A Factorial Analysis of Changing Preferences on Ambivalent Design Using Hair
TSURUMAKI Fumiko
受理 2014/07/18、採用決定 2014/09/20【ファッションデザイン】

要約

 本研究では、「気持ち悪いけれどカワイイ」のような感性的イメージの両義性に着目し、不快から快、嫌悪から愛好へと錯綜する感性的イメージが変化する際の、肯定的要因・否定的要因と、その移行段階を、人間の毛髪を例に実験的な手法によって明らかにすることを目的とする。また、実験刺激の形状、量、色、図形化、配置、成形がイメージの変化にどの程度影響するかについて検証し、感性的イメージの両義性についての認識の構造を明らかにするための手掛かりを見出したい。
 髪が感性的イメージの両義性を有していると捉え、主観調査の題材を髪とし、面接方式によるアンケート調査を実施した。一次調査では、身体の一部としての髪についての印象調査を行った。二次調査では、髪を用い、身体から離れた状態を想起させる43 個の平面構成を制作し、愛好および嫌悪に関する主観調査を実施した。三次調査では、二次調査で見出された感性的イメージが変化する際の肯定的要因がどの程度影響するかについて検証を行うため、見出された肯定的要因に従い、髪を用いた平面構成を3 個制作し検証を行った。 
 一次調査では、髪は人の印象を決める、アイデンティティの一部、美的側面だけでなく恐怖とも結びついていることがわかった。二次調査では、感性的イメージの変化における肯定的要因として、「真っ直ぐ」「量が少ない」「見慣れない色」「見慣れた形」「散らばっていても真っ直ぐ」「髪に見えない」こと、否定的要因として、「短い髪」「量が多い」「見慣れた色」「見慣れていても整ってない形」「散らばっていて集まっている」「髪に見える」ことが見出された。二次調査で見出された肯定的要因に従い、三次調査を行った結果、全体の77.6%が肯定的印象を持ったと回答したことから、特定された要因が感性的イメージの変化に大きく影響することがわかった。その結果、髪に見えるか否か、髪のような何かを喚起させるか否か、すなわち、実感/ 非現実感をもたらすか否か、現実感/ 非現実感を喚起させるか否か、ということが感性的イメージの変化を左右する重要な要因となっていることが明らかになった。また、全体の結果を分析、図式化した結果、肯定的回答は「非現実感」「非現実感を喚起」に、否定的回答は「現実感」「現実感を喚起」に集中していることが明らかになった。





Last-modified: 2017-06-13 (火) 17:49:20 (705d)