Differences of the Impression by the Conical Protrusions in the PTP sheet
ー A Comparison of Impression among Different Age Groups
本研究では、幼児の医薬品誤飲事故を防止するため、幼児が恐怖を感じる（円錐形の突起による）痛み要因をポケットの上部に取り付けたPTPシート（突起の配置：中心部に1個・菱形に4個・円形に5～6個、直径：1㎜・2㎜）をデザインした。これらを用いて幼児・青年・高齢者を対象に突起によるPTPシートに対する印象の差異を調査した。その結果、全年齢層において突起を中心部に取り付けたものでは痛みの評価が低く、嗜好度も高い結果となったが、円形に取り付けたものではその逆の結果となった。一方、菱形に取り付けたものでは年齢層で差が見られ、突起の直径を2㎜にしたものに対して幼児は痛みの評価が高く、嗜好度も低下する結果となった。また、突起の数により集合体形状として認識され、それによる気持ち悪さが嗜好度に影響を与えたことも確認できた。このような傾向は他の年齢層ではほぼ見られなかった。これらのことによりPTPシートに突起を取り付けることは幼児の医薬品誤飲事故の防止につながると考えられる。また、突起の造形特性により幼児には心理的な負担が大きく、他の年齢層には負担が少ないPTPシートをデザインすることも可能になると考えられる。