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論文/日本庭園に興味がある英国人の・・ のバックアップ(No.1)


日本庭園に興味がある英国人の植物と空間デザイン要素に対する認識に関する研究

-印象比較による日本庭園に興味がある英国人の日本庭園観と庭園文化

熊倉早苗、Jill Raggett、小田龍聖、柴田昌三

A Study of Perceptions of Plants and Elements of Spatial Design among British People Interested in Japanese Gardens
-British people interested in Japanese gardens and garden culture through comparison of impressions
(受付:2022/08/29, 採用:2023/03/01)

要約

本研究は、英国人と日本人が日本庭園に対して持つ印象を比較、その違いを把握し、英国人の日本庭園に対する日本庭園観を考察した。写真比較のアンケート調査では、日本庭園に興味を持つ英国人と日本人に対して行った同じ調査結果の比較によりその差異を分析した。アンケートは、回答者属性、植物写真、空間要素写真から構成されている。回答は3 つのグループを対象に得た。日本庭園について知識のある英国人(JGS)、日本庭園の経験や知識があまりない英国人(HPS)、日本庭園について知識のある日本人(JK)である。3 つのグループのデータを、順位尺度の順位データ、クラスカル・ウォリス検定を用いて比較した。その結果、植物については、マツ、ユリ、キクの間で違いが見られた。空間的な要素では、山、白砂、池などの空間要素が異なる認識がされていた。植物に関する分析では、英国と日本の間には異なる感性はないが、日本庭園に関する知識の有無に起因する違いがあることが示唆された。空間要素に関する分析では、文化背景の違いから英国と日本の差異が示された。