Characteristics of semi-external space of use-unspecified architecture
建築はいつの時代も社会そのものを映し出し、その機能は時代の流れとともに変化してきた。しかしながら、実際世の中には東屋や公園の休憩所など、あらかじめ使われ方の定められていない建築物も数多く存在する。本研究ではそれらの建築物を「特定の機能を持たない建築物」(Use-Unspecified Architecture、以下UUA) と呼び、その構成形式の類型化を行い、どのようなパタンの半外部空間が誌上で提案されてきているかを明らかにすることを目的とする。戦後の主要な建築専門誌約2500 冊を調査し、その中から半外部空間をもつUUA を231 作品抜粋、更に図面等により寸法が判読可能な82 作品を対象に研究を行った。本編では建築物からみた構成として「数」、「状態」、「屋根の支持形式」、半外部空間からみた構成として「数」、「向き」、「状態」に着目し、特徴的な組み合わせを検討することで、12 種の構成パタンに分類した。次に主要な構成パタンを元にUUA の外周長さに対する開口幅の割合である「開口幅率」の比較検討を行った。その結果、半外部空間をもつUUA は、近似する5 種の開口幅率の群に分類できることが分かった。