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報告/厚真町の民家を活用した古民具展示と地域住民との語りの実践 の履歴(No.1)


厚真町の民家を活用した古民具展示と地域住民との語りの実践

能戸紫月 坂下夏唯 佐々木優花 杉本啓起 金子晋也

(受付:2026.01.09 採用:2026.09.07)

要約

 本稿は、北海道厚真町における段階的にリノベーションされた民家( 旧北海道厚幌ダム事務所住宅棟B6 棟) を展示空間としてリデザインし、地域住民との交流の場を創出することを目的とする。また、展示には、厚真町の古民具を活用し、それらに関するストーリーを通じて厚真町の地域資源の構造を整理する。研究方法として、厚真町軽舞遺跡調査整理事務所所蔵の古民具を選定し、動線・展示配置を含む空間設計を実施した上で、展示中の会話・行動を逐次記録し、本展鑑賞者( 計12 名:厚真町9 名、札幌市3 名) から得られた話を分析した。分析の結果、「記憶」「想像」「体験」に対応する3 層の学びが確認され、展示者と鑑賞者が互いに学び合う相互学習の構造が生じたことが示された。さらに展示室ごとの空間特性が多様な鑑賞行動と地域との関わりの創出を誘発したことが示された。

   結論として、旧B6 棟は単なる居住や保存の場を超えて地域文化の学びと交流を生む能動的拠点となりうることが示唆された。