#author("2026-07-26T08:32:43+09:00;2026-07-26T08:32:03+09:00","default:board","board") #author("2026-07-26T08:32:54+09:00","default:board","board") *1972年答申にみるデザイン行政の転換と新しい論理形成 ***ー栄久庵憲司の思想と通商産業省デザイン課の戦略 ***– 栄久庵憲司の思想と通商産業省デザイン課の戦略 ***青木史郎、黒田宏治、熊娜、余剣 The Transformation of Design Administration and the Formation of New Logic as Seen in the 1972 Policy Recommendation – Kenji Ekuan’s Thought and the Strategic Approach of the MITI Design Division (受付:2026.03.05 採用:2026.07.25) ~ ***要約 1971 年、通商産業省の産業構造審議会は「70 年代の通商産業政策」を提示し、翌72 年にデザイン奨励審議会は「70 年代のデザイン振興政策のあり方」を発表した。このビジョンは「国民一人一人に人間性豊かな生活を確保する」ことをデザインの使命と位置づけ、生活と産業の好循環を導くことで社会を推進すべきと説く。この背景には、ICSID デザイン会議の日本誘致を契機とする、同省デザイン課と栄久庵憲司との交流がある。栄久庵は、生活者の倫理的規範を構築していくことこそがデザインの課題であり、新しい生活文化の確立こそが、産業と社会の再編成を促すと説いた。デザイン課は、この言説を新世代の産業政策に巧みに落とし込むことで、産業構造審議会ビジョンを補い、あるいは超える提言を描くことができた。理想を追い求めようとするデザインの理念と、現実の社会を漸進させようとする行政の姿勢が交差することによって作成された「70 年代のデザイン振興政策のあり方」は、デザイン行政の基本的指針として継承されただけでなく、企業等のデザイン活動を理念的に支えることで、日本のデザインの発展を導くことができた。 ~ ~