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報告/デジタル技術による応答的造形 の変更点


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*デジタル技術による応答的造形
―痕跡から始まる「受動的協働」と「翻訳」の実践
***―痕跡から始まる「受動的協働」と「翻訳」の実践
***越後 正志
Responsive Creation via Digital Technology
―The Practice of ‘Passive Collaboration’ and ‘Translation’ Beginning with Traces
Masashi Echigo
(受付:2025.12.20  採用:2026.05.18)
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***要約
本研究は、香川県小豆島におけるイノシシの「ヌタバ(泥浴び場)」を起点に、デジタル技術を用いた「応答的造形」の実践を通じ、モア・ザン・ヒューマンな世界における芸術的アプローチの役割を考察したものである。本稿では、痕跡を単なる生物の行為の結果としてではなく、生物と、土・水・地形などを包括する環境とが相互作用の中で生成した一回限りの「世界制作」の現れとして捉え直す。その上で、生物への事前介入を行う「能動的協働」に対し、自然環境下ですでに完了した行為に人間が事後的に関与する「受動的協働」という関係性を提示する。具体的には、3D スキャンとCNC 加工により、接触不可能な泥の痕跡を触覚的な木の造形へと「翻訳」した。この翻訳過程で生み出される差異は、情報の劣化ではなく、鑑賞者の想像力を喚起し、不在の生物の気配を立ち上がらせる「創造的余白」として機能した。この実践から、創造の主体性が作家個人から生物・環境・技術・鑑賞者へと分散するネットワーク型の制作モデルが導き出された。なお「翻訳」は展示実践を通じて、鑑賞者の想像力や関係性の広がりを生み出す行為として再定義した。応答的造形は、生物と環境が織りなす痕跡の唯一性を、「翻訳」を通じて鑑賞者が身体的に触れうる形へと転換し、見過ごされていた他者の営みへの気づきを開く方法論である。
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