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論文/中国語と日本語の本文組版・・

中国語と日本語の本文組版における
読みやすさの比較調査

-字間と行間の関係

楊 寧、伊原 久裕

Comparative Study on the Readability of Chinese Body Text and Japanese Body Text
YANG Ning & IHARA Hisayasu
受理 2015/03/26、採用決定2015/05/12【画像デザイン】

要約

本研究は、日本語と中国語を併記した印刷物において、調和ある組版を実現するために必要な条件として、本文の読みやすさに着目し、両言語にとってそれぞれ読みやすい字間と行間の範囲を探り、その比較を行うことを目的とする。
まず、両言語の組版規則書それぞれ15冊を取り上げ、読みやすいとされる字間、行間の関係について整理した。その結果、中国語と日本語とでは、特に字間の設定に違いがあることがわかった。字間については、日本語ではほとんどがベタ組みを基本としているのに対し、中国語ではベタ組みの組み方以外に字間を若干開けるという考え方も見られた。行間については、半角アキから全角アキまでの範囲でほぼ一致していた。
次に、中国人と日本人それぞれを対象とした中国語と日本語の文字組で、字間と行間をインタラクティブに動かせる統一フォームをウェブ上で作成し、調査を行った。この比較調査から、両言語の読みやすい行間の設定範囲については、3/4アキから全角アキまでの範囲で一致しており、またこの範囲に対してより適していると想定される字間はベタ組みであった。日本語については予想される結果であったが、中国語については、字間を空けるほうが読みやすいとする経験則が必ずしも事実ではないことがあきらかとなった。
以上から、調和のある中国語と日本語を併記するうえで必要な条件としては、組版の読みやすさについては字間をベタ組み、行間を3/4アキから全角アキまでの範囲で適宜調整することで対応可能であることがわかった。また、この結果に基づいて、最後に両国語を併記したレイアウトサンプルを提示した。





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Last-modified: 2020-04-10 (金) 10:59:25