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論文/電脳撮影スタジオの構築 の変更点


#author("2017-06-13T19:54:23+09:00","default:sdafst","sdafst")
*電脳撮影スタジオの構築
***工藤達郎、源田悦夫、武末直也
Construction of the new photography system which outputs an imaginary object as a film photo
KUDO Tatsuro, GENDA Etsuo & TAKESUE Naoya
受理 2013/08/12、採用決定 2013/10/06【画像デザイン】
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***要約
 本研究では、仮想空間内の被写体を実動作をもって撮影し、銀塩写真の質感をもつ画像を出力するシステムの構築を行った。本システムは写真撮影に特化した画像形成過程をもち、実空間におけるライティングや構図の設定を忠実に仮想再現した撮影と、フィルム現像、焼き付けのシミュレート結果として1枚の画像を形成する。
 システムの構築は「撮影」パートと「印刷」パートに分けて行った。撮影パートでは、モーションキャプチャ装置を用いて現実のカメラデバイスの位置および撮影方向を検出し、仮想空間内の視点情報へと適用した。また同様の方法で光源位置を検出し、Opticube という全方位型の受光装置による光強度情報を組み合わせることで、1光源条件下での任意のライティングを仮想再現した。印刷パートでは、撮影パートで取得された仮想空間画像を入力とし、フィルム特性曲線を用いた高速のデジタル銀塩写真、化学的な銀の成長シミュレーションを経た高精度のデジタル銀塩写真の双方を出力可能とした。出力に際してはフィルムの種類、現像液及び現像時間、印画紙の種類及び焼き付け時間などのパラメータの選択により、実際の技術に即した調整を可能とした。
 本システムの有効性は、現存の石膏の胸像をフィルムカメラで撮影した銀塩写真と、同形状の仮想物体を本システムで撮影して得たデジタル銀塩写真を比較することで検証した。さらにシステムの応用として、カンボジアの伝統舞踊「アプサラダンス」のデジタルアーカイブデータを用い、現実には困難な撮影対象を本システムで撮影、デジタル銀塩写真の生成に成功した。
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