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写真による建築空間の表現方法について

永瀬智基、久野紀光

A Study on the Representation of Architectural Space by the Photo
NAGASE Tomoki & KUNO Toshimitsu
受理 2013/04/18、採用決定 2013/06/29【建築・環境デザイン】

要約

 本研究は同一の建築空間を対象とした写真集複数誌に共通して掲載されている建築写真を分析対象として、写真による建築空間の表現方法についての作法を明らかにすることを目的としている。
 研究は4つの手順に分けて行った。まず第一に、写真集複数誌に共通して掲載される写真(共有写真)を抽出する。7誌の写真集に掲載されている写真847 葉のうち、146 種452 葉を共有写真として抽出した。第二に、連続する2葉の共有写真を「組写真」として定義したうえで、写真集複数誌に共通してみられる組写真(共有組写真)を抽出する。組写真として抽出されたもののうち42種91 組162 葉を共有組写真として抽出した。続いて第三に、共有組写真の構成を明らかにするために「写真の属性(どのような対象物がどのように画角におさめられているのか)」と「写真の展開形式(2葉の共有写真間でどのような視覚体験の展開がみられるのか)」の2観点から共有組写真を精査した。
 共有組写真に含まれる2葉の写真の属性の組合せとしては、属性①外形の写真同士や属性③室内-1 室の写真同士といった同一の属性の写真同士の組合せが多くみられた。また、属性①外形と②外構要素の写真といった屋外写真の組合せや、属性③室内-1室、④室内-複数室、⑤室内-部分といった屋内写真同士の組合せが多くみられた。共有組写真に含まれる2葉の写真間の展開形式としては、対象物が視覚的に不連続であり、視点の移動を伴うものとしてb断絶が多くみられ、対象物が視覚的に連続していて視点の移動を伴うc移動-写真内やd拡大縮小などの展開形式が多くみられた。
 最後に、写真の属性と展開形式の2観点の照合を行うことで共有組写真の構成を明らかにする。結果として8種の構成類型を抽出し、類型どうしの比較によって写真による空間表現の作法として、「近接する空間の情報の組合せ」、「同一空間の情報の組合せ」、「建築物の周辺の移動」、「視点の固定」、「室の移動」、「周辺空間の情報の組合せ」、「類似する空間の情報の組合せ」を見出した。





Last-modified: 2017-06-13 (火) 19:32:44 (705d)