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プレイスメイキングから見た
公共的空間の滞留に関する考察

三友奈々

Setting Activities of Time-Spending Behavior in the Public Spaces through the Placemaking Concep
MITOMO Nana
受理 2013/05/24、採用決定 2013/08/01【建築・環境デザイン】

要約

公共的空間(パブリックスペース)には、活気ある賑わいを求める利用者と、静かに過ごしたい利用者のどちらも訪れる可能性があり、実際に両者は混在していると考えられる。そのため、公共的空間には、楽しみやサービスを提供することで活動しながらの滞留を促す「能動的滞留」エリアとともに居心地良くすることで滞留を促す「受動的滞留」エリアの両方を兼ね備える必要がある。以上より、公共的空間が住民や訪問者にとっての「まちなかの居場所」となることを目指した「プレイスメイキング(Placemaking,以下PMと略す)」の考えに沿って公共的空間内における滞留の設定について実態調査し、両滞留エリアを共存させるためのデザイン視点について考察することを目的とする。
そこで本論文では、PMの先進事例である米国ブライアントパーク(Bryant Park)において、滞留の増加を目的としたイベントに着目し、数時間の短期イベントが一日に複数回開催されている夏季(2010年6月)に7エリアの滞留について実態を調査した。その結果、マネジメント運営者がイベントを設える設定(設置・配置・設え)行為は、調査対象イベント全体の51%に留まり、残りはイベント開始後の参加者、見学者による主体的な設定行為であることが判明した。そして、イベントのために設定された設定対象のうち全体の60%は、イベント終了後もそのままイベントエリアに「据置」かれ、中でも可動椅子はすべて「据置」かれることも明らかとなった。さらに、能動的滞留と受動的滞留が時間帯によって同じエリアで「推移」していることも判明したが、この「推移」は「据置」かれた可動椅子が媒体となっていたことが明らかとなった。
以上より、公共的空間に両滞留を共存させるためには、マネジメント主体による毎次の即応的な設定行為と利用者による主体的な設定行為の双方が重要であり、特にマネジメント主体は自身の緻密な設定行為に加え、公園利用者の設定行為を促すことが求められると考えられる。





Last-modified: 2017-06-13 (火) 19:24:49 (581d)