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災害時の避難所における協力関係を円滑に築くための
ツールの研究

後藤 萌、筧 祐介

A Design of the Communication Tool Develop Relationship in Refuge
GOTO Moe & KAKEI Yusuke
受理 2012/01/12、採用決定 2012/03/23【画像デザイン】

要約

 地震災害への対策は、我が国が取り組むべき大きな課題の一つである。2011 年の東日本大震災で明らかになったように、今後、災害時の避難や被災地支援等においてデザインの果たすべき役割は大きい。
 本研究では特に災害時の避難所生活におけるコミュニケーションの課題をとりあげる。見ず知らずの人が集まる避難所では、互いの事を知らないためにトラブルが発生することや協力関係を築きにくいことが予想される。そこで本研究では、避難所でのコミュニケーションを促し、協力関係を円滑に築くための手助けとなるようなツールを制作する。
 実際に阪神・淡路大震災の事例でも、避難所住民同士が協力し合い自主運営を行った避難所では適切な運営が行われていた。また一部の地域では、避難所のニーズをカードに書き、一カ所に集めて共有した上で、状況に応じてボランティアを派遣するという試みがとられていた。このように避難所が必要としている支援が具体的に把握されていた場合はボランティアの派遣も適切に行われ、避難所生活者とボランティア双方にとって有益であった。
 上記のような例を参考に、個人の能力を共有するためのI.D. カードを制作した。避難所で生活する人が各自「自分に出来ること」と「自分に関すること」を書き込み、宣言するためのI.D. カードである。書き込む内容によって7つの項目を設け、分かりやすいように項目毎にピクトグラムを制作した。阪神・淡路大震災時の避難所生活経験者の方々からは、当時このようなツールが欲しかったという意見も聞かれた。またデザイナー等の評価からコミュニケーションに関する問題に取り組む意義が認められた。
 本研究を元に、2011 年東日本大震災が起こった際に神戸市等の手により「できますゼッケン」が制作された。ボランティアによって積極的に使用され、被災地でのコミュニケーションの活発化に貢献したことが確認されている。



Last-modified: 2017-06-13 (火) 20:00:18 (581d)